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東京・六本木のAXISでは、著名デザイナーを講師に迎え、デザインに関するテーマを共に考え、語り合うAXIS Forumを開催しています。第3回AXIS Forumは、セガ・エンタープライゼスの水口哲也氏です。(2000年4月18日) |
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── 「『セガの水口』と呼ばれるのは最後かもしれない」とはじめた水口氏。ゲームプロダクションとして独立を計画しています。 ■ゲームというメディア■ ────── メディアとしてのゲームに大きな魅力を感じている。ゲームは目、耳、あるいは身体を刺激するメディア。そこに「つまらない」という烙印を押されると、全く受け入れられない。「面白い」が無い限り、巨額の制作費をかけて、映像や音が良い、だけではダメ。どうやって面白いモノを作るか、そればかりを考えてきた。 ── アメリカ講演で使ったVTRを使い、水口氏が初期に携わった体感ゲームを説明します。「The Search for the Soul of the Game」と名づけられたVTRで、92〜98年の作品です。モーションライド用CG映像「メガロポリス」、爆発的ヒットとなった「セガラリーチャンピオンシップ」… ■体感ゲームの制作■ ────── 人の視野を10%づつ覆っていくと、60%を超えた時に、脳波と血圧に急激に反応が起こる。同様に、映像のフレーム数を上げていくと、60フレーム/秒で変化する。体感ゲームを作る時には、60フレーム/秒の映像を、視野の60%を覆うように作れば良い事がわかる。それ以上詰め込む必要は無い。 もう1つは「世界型エンターテイメント」。ゲームは言語・国境がない。レースゲームでは、誰でも一番になりたい、という欲求がある。これはあがなう事ができない本能であり、体感ゲームの本質とも言える。 ── 99年12月に発売された「スペースチャンネル5」について、話を続けます。 ■「スペースチャンネル5」■ ────── ── SC5は、記憶力と反射神経を使ったゲームです。舞台は2499年、主人公はテレビ局「スペースチャンネル5」の新人リポーター「うらら」です。突如地球に襲来した謎の宇宙人「モロ星人」の踊りをうららが真似て踊ることにより、視聴率を上げながら、人々を救っていきます。最初にモロ星人が踊り、キュートなうららが踊りを繰り返すこのゲームは、エアロビクスのインストラクターと生徒のような関係で繰り返され、ダンサブルな音楽とともにゲームは進んでいきます。 男と女がゲームでハマるものは、微妙に違う。男も女も同時に楽しんでもらえるゲームを、どう実現するか。要素を単純にし、記憶力と反射神経だけのゲームを作った。 ゴールしたサッカー選手の喜びと、それを見るファンの喜びが異なるように、能動的な感動と受動的な感動は違う。ゲームも、プレイヤーが自分でやって得られる能動的感動と、演出から得られる受動的感動は違い、その配分はゲームにとって大変重要である。 SC5は、ゲームの要素は単純。映像・音楽・キャラクターで、ゴージャスにアレンジした。最終的に自分がうららになったような感動を味わえるようにしたかった。 |
![]() 水口哲也 (みずぐちてつや) 1965年生まれ。日大芸術学部卒業後、セガに入社。同社の情感デザイン研究室にて、CG映像の立ち上げに従事、セガ初のモーションライド用CG映像「メガロポリス」を制作する。 1994年、初のプロデュース作品「セガラリー・チャンピオンシップ」が世界的大ヒットとなり、その後、バイク体感マシン「マンクスTT」、「ツーリングカー・チャンピオンシップ」、「セガラリー2」をリリース。 現在はアーケードを離れ、Dreamcast用のゲーム制作に携わる。最新作は、1999年12月に発売された「スペースチャンネル5」。人間のあらゆる欲望を満たすためのゲームづくりを目指している。
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会場に展示された「スペースチャンネル5」スペースチャンネル5の公式サイトはこちら
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── ゲームをつくる上でキーとなる「ゲームデザイン」について、話は進みます。 ■快感の原則をデザインする■ ────── ── 97年に作られた、SC5のファーストコンセプトVTRを見せながら話を進めます。タイミング良くボタンを押せば敵が倒れていく、というもので、主人公のキャラクターと音楽以外は、製品化されたSC5とは全く異なっています。 このVTRを見せると皆がっかりすると思う。そこには、プレイヤーの欲求に引っかかるものが無い。この世界観を、どう変えていくか。どういうデザインをしていくか。2年がかりで構築していった。 ── プレイヤーの欲求に引っかかるゲームをどう作るか。水口氏は「自分が10年間かかってたどり着いた」という方法を説明します。 ■欲求に引っかかるゲームを作る■ ────── プログラマー、デザイナー、プランナー…それぞれの意識を統一する事も、重要なポイントとなる。「面白いお婆ちゃんを作る」と言っても、スタッフ各人で、バラバラのイメージがある。SC5の時は、パントマイマーを招き、スタッフ全員でパントマイムを学んだ。「面白いとは何か」を学ぶと同時に、コミュニケーション能力も格段に向上した。 ── 今後ゲームを作っていく上でのポイントをまとめます。 ■これからのゲームデザイン■ ────── ゲームを作る上で「メッセージ性」は譲れないポイント。コンシュマーゲームは、子供も遊ぶし、世界中で使われる。100万本ゲームが売れたとすると、そのゲームを楽しむ人は200〜300万人になるだろう。ハマるゲームは、簡単に受け入れられるので、そのメッセージには、気を配らなければならない。人を撃ち殺して、血が流れるようなネガティブなイメージを題材にして、コンシュマーゲームを作る事は、間違っていると私は思う。SC5は「ラブでピース」な楽しいゲームになった、と自負している。ぜひ皆さんも一緒に楽しんでください(笑) 会場からも多数の質問が出され、今後のうららについて、マル秘で進行中のプランも紹介した水口氏。別の場所でうららを見る日も近いようです。 |
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