ジャパンデザインネット
海外リポート
ワールドアートリポートEEA21
NO.14
都内・アーティスト来日編(前編)
UP DATE : 06.12.13
EEA21 : 横澤悦孝
Rosaria Iazzetta氏 / 双ギャラリー /
ナンセンス・クリスマス
早いもので12月。街を歩くと、いたるところで煌びやかなイルミネーションを目にします。
愚息は来年から小学校。日頃の悪事を悔い、サンタさんからのプレゼントが「玉ねぎ」でないことを祈る毎日。思えば20代前半の独身時代、バブル景気に浮かれまくっていたのは大昔。今年は新居で家族と慎ましくサンタを待つことにします。翌日はジャガイモと豚肉を用意しておくので玉ねぎが届いたら、肉じゃがをつくるそうです。
さて、アートの話題ですが、先日「ナンセンス・クリスマス」なるアルミニウムの彫刻を拝見しました。制作者は、ナポリ在住のRosaria Iazzetta(ロサリア・イアゼッタ)氏、会場は都内東小金井にある双ギャラリー。床面に対し垂直の高い部分がサンタクロース、手前の並行で低いところがトナカイを表しています。トナカイは、頭が下で(画面一番手前)、そこに集積されているのはレジのレシート=領収書です。
トナカイはカタチを変えた人間の姿、頂には女性器の写真がライトボックスとして、照らし出されています。快楽のため、過剰で暴力的な消費のためと、作者が指摘する現代のクリスマス…
ロサリア氏は、今日私たちは、あらゆるものの 本質(本来の価値)を見失っていると、作品を通して社会に警句を発しています。“Family Feeling”は、家族の中に奇妙な金属立体を浮かび上がらせた作品。一見しあわせそうな家族に見えても、心の葛藤や複雑な感情など、目に見えないもの、言葉で表す事のできないことが、現代は蔓延り、それは、家族以外の他者には(表面的には)、わからないことを意味しているのです。
その他にも教育や宗教など現代社会の問題を自身が演じ諷刺する写真が展示されていました。
彼女に注目した理由は、ナポリ芸術大学時代から継続している研究のテーマにあります。論文のタイトルは、「リサイクルされた鉄による彫刻の美的目的」。その後、テトラポットに着目したロサリア氏は、船の残骸で魚介類保護のためのプロトタイプを制作に取り組みました。
その後も引き続きリサイクル問題を探求し、2000年にはテトラポットの現代的彫刻デザインのために来日。伊外務省と日本政府からの奨学金で、東京芸術大学大学院でも学びました。
トップの画像は、個人的に気に入った“Cavallo di Ritorno”。世界で愛されているスクーター“VESPA”をリサクルしたもの。この鉄の馬から現代のイタリアが垣間見えます。 私のイメージではイタリアの南といえば、窃盗の本場(?)。四輪、二輪、自転車まで持ってかれる気がしていたのですが、ロサリア氏のお話では、VESPAを盗んでも、ナンバープレートからあしがつくため、パーツだけ取り除き、放棄する輩が社会問題になっているそうです。なるほど。彼女は廃棄部分を材料に用いるためプレートが剥き出し、工藤ちゃんもプリンセスも驚きの一品です。
【 写真 1〜8 】
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【 1 】 Cavallo di Ritorno
【 2 】 Cavallo di Ritorno
【 3 】 双ギャラリー / Rosaria Iazzetta
【 4 】 真の微笑 / Rosaria Iazzetta
【 5 】
【 6 】
【 7 】
【 8 】
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