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桐山セレクション 注目デザイン&デザイナー
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日本全国からさまざまな分野のデザイナーを紹介する「デザイン&デザイナー」。
旬なデザイナーと代表作品を、デザインキュレーター・桐山登士樹がセレクションしてお伝えしていきます。


桐山登士樹 Toshiki Kiriyama
世界のデザイン動向の調査分析、世界の良質な建築展・デザイン展や建築家・デザイナーをコーディネート、デザインプロデュースを行う株式会社TRUNKを主宰。これまで手掛けた展覧会には「クランブルックデザイン展」「アグレッシブ展」「MoMAミュータント・マテリアルズ展」「フィリップ・スタルク展」「アキッレ・カスティリオーニ展」「Droog&Dutch Design展」「イタリアと日本 生活のデザイン展」「ステファノ・ジョバンノーニのデザインスーパーマーケット展」「80歳現役デザイナー長大作展」「ナディム・カラム展」「NEAR21 日・中・韓のデザイン展」「蓮池槇郎デザイン展」「世田谷の集合住宅展」など多数。
現在、富山県総合デザインセンターデザインディレクター、世田谷文化生活情報センター生活工房ディレクター、YCSデザインライブラリーディレクター。

桐山氏
 このページは、第81回から第100回までの20人のインデックスです。
第1回〜第20回
第21回〜第40回
第41回〜第60回
第61回〜第80回
第81回〜第100回
最新の紹介

第100回
山田佳一朗  Kaichiro Yamada
山田佳一朗 山田佳一朗さんで100人目の掲載になります。足掛け9年の連載で100人に達しました。山田さんはミラノサローネのサテリテで連続発表してきた挑戦者である。今回、スーパースタジオの一角で再度これまでのデザインを見て改めてこの人を知りたくなった。というのも展示されていたデザインを見て、山田さんは創意工夫の出来る人、独創性もあり、そして美的センスもよいと感じた。後はデザイナーとしてのスケール感が欲しい。ここが一番重要である。相手に物言わせない圧倒的なデザインの力を示すことが出来れば、たぶんもっと活躍の場が広がるのではないか。しかし、言うは易しでこれまでのデスクワークでは生まれない。もっとフィールドを広げ、多くの分野や人と交流し見る視野角を広げないと駄目だ。しかし、いいところまで来ていることは間違いないだけに応援したい。


第99回
三井直彦  Naohiko Mitsui
三井直彦 三井さんから携帯に電話をよくもらう。三井さんには時差は関係ないようで、ミラノからでも東京からでもその声はさわやかだ。だぶん日本とイタリアを最も行き来しているデザイナーだ。年齢的にも仕事的にも乗っている。たぶんすべてが体感できる最良の時であり、その感覚、フットワークが羨ましい。デザインの仕事で身近に見ることができるのは、すっかり定着したあの分厚いアスクルのカタログである。ボリュームゾーンのデザインが良くなることはとても評価できる。現在アスクルのクリエイティブディレクターも務めているが、今後もっと三井カラーを鮮明にしていくであろう。期待しよう。さて、今回デザイン以外の仕事として建築を初めて拝見した。そもそも三井さんは建築を学び、マリオ・ベリーニに師事、協働。90年以降、ベリーニは建築プロジェクトを数多く手がけている。この時期に事務所にいたことになる。特に「Centro Culturale Torino」はベリーニと、どんなやり取りを行ったのか聞いてみたいプロジェクトである。私と三井さんの共通点は、狭い世界のデザインには興味がなくトータルでデザインを捉え、プロデュースをしたいと思っている点である。頼もしい行動派の三井さんだけに今後が楽しみだ。


第98回
山本秀夫  Hideo Yamamoto
山本秀夫 山本秀夫さんから現在松屋の日本デザインコミッティーで開催中「断面A-A 山本秀夫のプロダクトデザイン」のご案内状をいただいた。記憶は薄れたが最初にお会いしたのは十数年前だったと思う。改めて、今回紹介するデザインを見るとその熟成度に驚いた。無印のものなど日常気がつかず使用しているものも多かったのだが、ぶれのないフォルム、醸し出す存在感はプロ中のプロの仕事である。今回の展覧会担当の佐藤卓さんは「優れたプロダクトは、多くの意味が美しい断面に集約されています。」と書かれているようにフォルムの断面は図面以上に細部をさらけ出すことである。その度量と自信が成熟したデザイナー山本秀夫さんの存在感そのものである。今月16日まで開催さているので是非、足を運んで欲しい。


第97回
富田一彦  Kazuhiko Tomita
富田一彦 富田さんとは1月末パリのメゾンの会場でお会いした。デザインはモローゾ等サローネで何度も見ていたので初対面の気がしなかった。同時に富田さんの人柄が大陸的、ストレートなトークであっても嫌味がない。とても気持ちの良い方だ。さて、肝心のデザインは大らかなフォルム、ユニークな表情、生き物みたいな感覚、富田さんの気持ちを反映した分子がデザインワールドを形成している。最近感心するのは、イタリアの中小企業から日本の中小企業まで、これからデザインによって成長していくであろう企業に対して意欲的に協力している点である。その背景には、14年ミラノに住み著しい環境変化を生き抜いている強さがどこかにあるのではないかと想像する。私たちが魅せられたイタリアデザインを作った巨匠がだんだん少なくなり、ユーロによってかつての特色が薄くなっているミラノ。行動派の富田さんだけに新たなデザインの現場を求めても良い時期に来ている。


第96回
山本 章  Akira Yamamoto
山本 章 山本章さんへ本コーナーの登場を依頼し許諾を頂くのに約2年の時間を要した。本人曰く「まだ発表するほどデザインが揃っていない」という理由であった。僕はモダンデザインが好きで、特に50-60年代のイタリアデザインが好きだ。山本さんのデザインは、古きイタリアデザインの様にちょっとクールだが、なにかほっとする味わいを感じさせる。同時に99年より渡辺力氏と協働し、二人の会話によって時計からスツールまでコラボデザインが世に送り出されている。嬉しい限りだ。渡辺力氏は、かって実践していた「デザインの質」を再現すべく、山本氏にさまざまな注文を出す。この注文に応えるべき丁寧な作業が進められている。世の中はスピード社会だが、こんなスローな世界を実際に見ると安心する。そして微笑ましい。デザインに心を注入する渡辺力氏の真摯な姿勢は、間違いなく山本章氏へ継承されることだろう。


第23回
水 ともこ  Tomoko Mizu
水 ともこ 07年最初のデザイナーは、水ともこさんのデータを更新することにしました。23回目に紹介してからすでに6年が経過しました。前回のデザインと今回のデザインを比較すると、やはりデザイナーとしての成長が感じられる。月日は人を育て、人を成熟させる。同時にどんな環境で、何に悩み、何に刺激され、何を目標としてきたか、その人間性が反映される。水さんの周りには、アンドレア・ブランジを初め偉大なデザイナーがたくさんいる。また、イタリアの経済不況、産業変革のど真ん中でデザイン活動は大変難しく局面に直面している。しかし、水さんには、ミラノで20年実践している強さがある。また、アクリル樹脂の可能性を引き出すデザイントライアルによって、水デザインの安定感が増した。こうした軸が定まったことによって、それ以後の周辺デザインに良い効果が出始めている。もともと馬力のある方だけにまだまだ突き詰めて欲しい。


第95回
渋谷哲男  Tetsuo Shibuya
渋谷哲男 一見物静かなデザイナーだが、今回紹介するデザインの数々にデザイナー渋谷哲男さんのセンスが滲み出ている。あまり多くを語ったことはないが、ずぅーと富山のデザインコンペの常連であり、上位入賞者である。すでにデザイナーとして第二コーナーを走っている。これからがデザイナー渋谷哲男としての存在を示し、試される場になる。身体を鍛錬していないとその差が歴然と出る時期である。しかし、日常性の観察眼と構成力、デザインに込められたユーモアのセンスも悪くない。アッシュのヒット商品「TUBE DOOR STOPPER」ほか、今年の富山の準とやまデザイン賞作「Drop」などを見ると期待できる。日常性のデザインといった視点で、新たな可能性を見せてくれそうな逸材だ。


第94回
石上純也  Junya Ishigami
石上純也 石上さんは建築界のホープである。先日、乾久美子さんにお会いしたら「彼は天才だから!」と評していた。そうなんだと思い改めて石上建築、デザインを見直した次第である。2005年に開催したミラノサローネのLEXUSプロジェクトを04年の秋、妹島和世さんに依頼しに行った。その時妹島さんから紹介を受けたのが石上純也さんである。それからというもの当時池尻にあった彼のスタジオに通い続けた。その理由は、新たな提案やリクエストに対して、「ちょっと実験してみないと」と言うのが石上さんの口癖だったからだ。発砲モデルや霧発生の実験、照明実験等々あらゆることを体験した。けっしてコンピュータだけに頼らない、強い精神力と丹念な構築に石上スタイルが貫かれていた。それは何時しか当然の行為となり、関係者一同魔法にかけられた状態を称して石上マジックと呼ばれた。特に好きなデザインは、極小の構造計算上成立しているテーブルや発砲を硬質化し表面にレース加工した椅子など、きわどく成立している関係性の美に魅了された次第である。


第93回
合川通子  Michiko Aikawa
合川通子 合川さんはバイオグラフィーに記載されているように東京・品川にある原美術館の運営に長く携わった方である。それも学芸員ではなく、デザイナーという立場で美術館に集積する様々なアートやデザインをビジュアルコミュニケーション化した実績を持つ。独立後も美術館やそこで行われる展覧会を軸にデザイン活動を続けている。合川さんのような専門領域を独自なスタイルで活動しているデザイナーを私は知らない。海外ではオランダのトニックなど数名のデザイナーが思い浮かぶ。さて、私が最も合川さんを買う理由は、何時も絶えることがない笑顔である。展覧会をつくるプロセスは、緊張と重労働な毎日である。この合川さんの明るさに助けられた美術関係者は多いと推測する。今後も美術館を中心にミュージアムグッズのデザインやコミュニケーションデザインにまた新たな展開を見せて欲しい。


第92回
磯野梨影  Rie Isono
磯野梨影 磯野梨影さんのデザインを拝見して、四肢が爪の先までまっすぐ伸びたさわやかなデザイナーに出会った、そんな爽快な気分(余韻)が残る。どのデザインからもポジティブな指向が見てとれる。複眼的にデザインを作り上げていく能力に長けている人だとお見受けした。ソニー在席時に担当した「Beans Walkman」や退社後英国で所属したPSDでの「Swatch Twinphone」などに、磯野デザインの指向が顕在化してる。さらに成長を助長しているのは、生活者の視点ではないかと思う。カラフルな色や素材の織り成す磯野ワールドは、実生活と乖離しない強さの現われなのかもしれない。今年の夏、私の所属する富山県総合デザインセンター主催のガラスのワークショップに参加していただいた。この時に製作したデザインの内外の評価は高く、やがて市場に出回る可能性が高い。


第91回
森 豊史  Toyoshi Mori
森 豊史 非常勤で勤務している富山県総合デザインセンターからクルマで15分ほどの場所にタカタレムノスはある。今回紹介する森豊史さんが務める会社である。川崎和男さんのデザインクロック以降、この分野ではパイオニア的役割を果たしている。この会社のデザイン部門をまとめているのが森さんである。森さんのデザインは、この1〜2年で飛躍的に上手くなった。例えるなら長いトンネルから抜けた感じがする。地域のリソースをうまく引き出したり、他のクリエーターとのコラボレーション等々、まとめ方が充実した。力の抜けぐわいがとても良い。英国のコンランで採用された「Da+R(デザインアレイ・リボーン)」は、特に好きなデザインである。デザインは生き物であるが、同時に作り出すデザイナーも生き物である。そんな成長というか、時間軸でしっかりデザイナーを見続けることが大切であることを改めて知った一人である。本職の建築にも再チャレンジしているようなので、こちらでの成果も期待したい。


第90回
Ranch Box (中西仁史、滝波智津子)   Ranch Box(Hitoshi Nakanishi, Chizuko Takinami)
Ranch Box (中西仁史、滝波智津子) 04年8月、お台場で開催されたGマークの展示会でランチボックスの中西仁史さんと滝波智津子さんにお会いした。日常の道具に遊び心を取り入れたデザインが特徴の若いユニットであった。お二人のデザインを最初に目にしたのは、04年のサローネサテリテである。このユニットは、明るく、伸びやかでフレッシュな香りがするが、実際は試行錯誤の連続に違いない。今回、改めてデザインを拝見すると照明のデザインが圧倒的に多い。照明デザイナーと言えば直ぐにドイツ人のインゴ・マウラーを思い出す。私の知る限り20年間インゴを越えるデザイナーは出ていない。豊かで自由なクリエィティビティの持ち主のインゴは、この若いユニットには格好の目標地であると思う。いずれインゴ・マウラーを越える存在になってほしい。


第89回
GIBA (清水慶太、平社直樹、大城健作)   GIBA(Keita Shimizu, Naoki Hirakoso, Oshiro Kensaku)
GIBA(清水慶太、平社直樹、大城健作) 今年のミラノサローネでの収穫の一つがサテリテに出品していたGIBAとの出会いであった。デザイナーは、清水慶太、平社直樹、大城健作の三人からなる。この三人は、すでに卓越したデザインスキルを持つ。今回紹介するデザインは、キャリアを越えた発想とまとまりを感じる。また、送られてきた資料を見るとそれぞれが独立した仕事を持ち、目標を設定している。メンバーの一人清水慶太さんは、ミラノで活動し今年から横浜に活動の場を移した。お父さんをよく知っているだけにさすがカエルの子である。平社直樹さんは、昨年からミラノに拠点を移し活躍中。コンランショップのディスプレイヤーとして勤務するなど経験地が生かされているのを感じる。大城健作さんは、現在ピエロ・リッソーニ氏の事務所に勤務しながら独自の活動も行っている。サローネサテライト "GIBA"展デザインレポート大賞受賞を受賞している。とにかく私はこの三人に期待したい。一作一作妥協のない完成度をもったデザインを実践して欲しい。また、時に三人での共同制作も行って欲しい。nendoの佐藤大さんなども含め、次代を担う三十前後のデザイナーの顔が確認できてきたのが何より心強い。


第88回
ナツメトモミチ   Tomomichi Natsume
ナツメトモミチ ナツメさんは、近藤康夫さんに10年師事し独立。在籍していた期間は、近藤康夫さんがもっとも激しく、そして知恵を駆使しインテリアの領域を拡大していった時期である。当然、その日々の研鑽は今日のナツメさんの基礎となっている。記載された受賞歴をご覧いただければ、業界における期待値が読み取れる。今回紹介するインテリアプロジェクトの数々を見ても極めてバランスの良いアベレージバッターであることがうかがい知ることが出来る。本人にお会いすると、これまた気負いのない自然体の人だ。昨年、富山でのワークショップに参加いただき「ice & fire」と名づけられたデザインが完成した。この時、オリジナリティを作り出すのが難しい素材に取り組むナツメさんを拝見し、新たなエネルギーが芽生えていることを感じた。


第87回
斉藤ダイスケ   Daisuke Saito
斉藤ダイスケ 斉藤ダイスケさんにコンタクトすると「僕はまだ紹介いただくには早いのではないですか?」と控えめな返答。この連載は、私の気になる若きデザイナー(目処としては50歳未満)を紹介していくコーナーだから、と一喝(やさしく)する。気負わず自然体で良質なモノづくりに向かっている点が評価できる。今回紹介する「earth pick」のガラス、セラミックは特に好きだ。大地と一体となったデザインは、やさしく存在感を醸し出す。同時にどんな人が作っているのか知りたくなるデザインだ。本人が自覚するようにまだ、若い。こんなスケールでモノづくりに邁進していくと10年後は、さらに楽しみな存在になっているであろう。


第86回
金山元太+金山千恵   Genta Kanayama+Chie Kanayama
金山元太+金山千恵 アッシュコンセプトの名児耶さんが好む、創意工夫が感じられ、楽しいデザインを提供してくれるユニットをご紹介したい。物心ついたころから身近にあった風呂敷を見事なまでに現代「FUROSHIKI-BAG」に仕立て直した金山元太さん、千恵さんのコンビだ。「世界遺産」など良質なテレビ番組の放送作家として知られる小山薫堂さんが手がける金曜深夜の「デザインパラダイス」ではないが、クラシックなかたちをリ・デザインすることによって、まったく新しい価値を作り上げている点は見事だ。身の回りの何気ないモノをフォーカスする観察眼、仕立てのセンスもほど良い。そんなことを考えていたら「POP-UP-SLPPER」という新製品が登場した。「名児耶さん試してみるから一足欲しい」「良ければ買うから」「悪いわけないだろー」また、話のネタデザインが生まれた。


第85回
caro  山口英文 Hidebumi Yamaguchi(左)、折山優子 Yuko Oriyama(右)
caro 昨年のミラノサローネサテリテ会場で初めてお目にかかった。一つ一つは特徴があり、どこかエッジの利いたデザインなのだけれど、ブースとしてのまとまりがない。そのことを初対面ではあったが、お二人にお話した。多くの日本人デザイナーが必ず間違うのは、目いっぱい縁日の露店の様に風呂敷を広げてしまうことだ。こんなに情報が溢れ、速度が速い時代に引っかかってくれるのは、時間を持て余している人だけである。ビジネスマッチングの場であるサテリテは、いかに経営者の目に留まるかである。その為には、一つのデザインに特化したミニマル展示にするか、一つのデザインを空間全部を使って表現化するかどちらかである。今回、紹介するデザインでもお分かりのように、このユニットは大きく飛躍する質量を持っている。次回お会いするときは、頭の中に収めているビジョンを鋭く聞き出してみたい。チャンピオンを夢見るボクサーの様に前に向かうとする闘志を感じる。


第84回
馬場威彰   Noriaki Baba
馬場威彰 友人のアッシュ・コンセプトの名児耶秀美さんは、雪眼鏡を取り出しては「雪の結晶って知っている?これで覗けるんだ」とまるで子供のようにはしゃぐ。名児耶さんと話していると、デザインて楽しいものなんだと実感する。この雪眼鏡をデザインしたのは、馬場威彰さんである。馬場さんの存在を知ったのは、2002年の富山のデザインコンペティションの応募作品「flashbulb」の時である。このデザインに関して、次の様な解説が綴られている。「誰もが共通認識として記憶する電球の回転動作をそのまま鉛筆削りの使用行為に置換え、削る行為と削った後に生まれる“閃き”の要素を形にした鉛筆削りです。」この一文だけでこの人の潜在的な能力を感じ取ることができる。その後、様々な機会で馬場さんのデザインと遭遇するが繊細な観察眼、高度な想像力に溢れている。決して受け狙いのデザインはしない頑固な人である。これから大きく躍進する一人として注目している。


第83回
Design ship TORA (代表 中嶋尚孝)  Design ship TORA
Design ship TORA(代表 中嶋尚孝) Design ship TORAは、福岡デザイン専門学校で教壇に立つ中嶋尚孝さんを代表に集まった学生ユニットである。主に国内のデザインコンペティションに参画し、そのスキルアップを続けてきた。たった五年間でデザイン界の最前線に立ちえる潜在的なパワーを構築した(受賞暦参照)。しかも学生中心のユニットである。私は、このユニットを高く評価している。その理由は、固定の枠にはまらない豊かな才能(オリジナリティ)である。先日福岡県のデザインコンペの審査委員に招聘された際、学校を訪れメンバーの皆さんに今後の戦略をお話した。それはミラノサローネに出品し世界のジャーナリストやイタリアの企業経営者の皆さんの評価受けること。次にDesign ship TORAを学生ユニットから脱皮してビジネスユニットにすることの二点である。これまでのインハウスの流れではなく、独立ユニットとして新たな流れを作り上げて欲しい。その為の協力は惜しまないつもりだ。


第17回
伊藤 節  Setsu Ito
伊藤 節 先月、伊藤志信さんを紹介したところ、パートナーの伊藤節の掲載作品の更新を要請された。二人のデザインは、パートナーシップで活動されているので多少だかぶるがご容赦願いたい。節デザインは白紙に描く一本の線が重なり合って、おおらかな新たなカタチを生みす。デザインにとって、無理のない造形力がベースであることを改めて知る。反面マスプロダクションでは、この造形を具現化させるには金型との戦いが始まることを意味する。以前、節さんのスタジオに伺った時、カタチを生み出す為に鋳物の湯口をどのように設計したか熱心に話されたことを思い出した。キャリアに裏づけされた実践力は、デザインの可能性の追求と具現化に向けた取り組みに集中している。


第82回
伊藤志信  Shinobu Ito
伊藤志信 伊藤志信さんはパートナーの節さんとミラノを拠点に意欲的な活動をされている。特に最近のデザイン活動は冴えている。目が離せない。もともと企画力、造形力を持つ節さんと、感性が豊かでさまざまな可能性を客観的に見出す観察眼に長けた志信さんは、絶妙なパートナーシップといえる。節さんが引くおおらかなライン(造形)に志信さんは新たな意味や価値を付加する。結果として、時にエドラ社のソファー「AU」のように大胆なフォルムが誕生し、時に RITZENHOFF社のシャンパングラス「Peals」のように繊細な フォルムが誕生す る。今回、あらためて二人のデザインを見てみると、どちらか一方がいなくては成しえなかったデザインという印象を濃くした。今後もシナジー的展開を期待したい。
話は変わるが、二人が結婚式の時に撮影した写真(さまざまな場所でポーズをとった)を見せていただいたことがある。イタリアでは結婚式の大切な行事である。この写真の印象が絵画のように脳裏にしっかり焼きついている。イタリアに根付いたふたりだけに古典的な味を生かしつつチャレンジャーとして新たなデザイントレンドを作り上げて欲しい。


第81回
橋本 潤  Jun Hashimoto
橋本 潤 1981年にスタジオ80を設立以来、日本のデザイン界の顔として商・住空間から家具、工業デザインから地域開発まで幅広い活躍されてきた内田繁さん(現・内田デザイン研究所代表)の門をたたいて、橋本さんは10年の歳月が経とうとしている。仕事は、現スタジオ80代表の西岡徹さんのもとで住空間のプロジェクトを担当してきた。その合間をぬって、家具デザイン等、個人のスキルアップの機会にも恵まれ、ミラノサローネ、東京デザイナーズウィーク等で発表してきた。さて、これからである。幸いボスの西岡さんのキャラクターは最高。胸を駆りながらもプロジェクトにまい進できる。同時に若きスタッフの良き手本にならなくてはならない。担当しているプロジェクトのバランス感覚には特別注文はない。家具では、さらにチャレンジャーとして先輩諸氏をビックリさせるような荒々しさ(新境地)を見せて欲しい。



 このページは、第81回から第100回までの20人のインデックスです。
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