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 ウェブスカイドア 現代篇
 



太郎千恵藏
Taro Chiezo
© Timothy Greenfield - Sanders

[ 略歴 ]
1962 東京に生まれる
1980-1984 ニューヨーク大学芸術学部

[ 個展 ] 抜粋
1992
白石コンテンポラリーアート・プロジェクトルーム(東京)
1993
サンドラ・ゲーリングギャラリー(ニューヨーク)
1994
ギャラリー・リーベントロープ(エルトヴィル、ドイツ)
「エッジ・オブ・カオス」SCAI THE BATHHOUSE(東京)
「エッジ・オブ・カオス」サンドラ・ゲーリングギャラリー(ニューヨーク)
1996
サンドラ・ゲーリングギャラリー(ニューヨーク)
小山登美夫ギャラリー(東京)
1997
「ロボット・ラブ」キリンアートスペース原宿(東京)
1999
「パブリック・ゴースト」小山登美夫ギャラリー(東京)
「パブリック・ゴースト」第一生命南ギャラリー(東京)
サンドラ・ゲーリングギャラリー(ニューヨーク)
2000
コウジ・オグラ・ギャラリー(名古屋)
2001
SCAI THE BATHHOUSE(東京)
2002
「アモラスプロジェクト」府中市美術館(東京)
2008
「二つのタワー ビルディングの幻と山水」第一生命南ギャラリー(東京)
「太郎千恵藏 ─ ポストヒューマンアーティスト」トウキョウ・ワンダーサイト・本郷(東京)

[ グループショウ ] 抜粋
1991
「The Invisible Body」レンパイアギャラリー(ニューヨーク)
「ホテル48時間」オフ・ソーホー・スイート、101&103号(ニューヨーク)
1992
「ポスト・ヒューマン」FAE現代美術館(ローザンヌ、スイス)
カステロ・デ・リボリ現代美術館(トリノ、イタリア)
デステ現代美術財団(アテネ、ギリシャア)
ダイヒトルハレン(ハンブルグ、ドイツ)
イスラエル美術館(エルサレム、イスラエル)
1993
第45回ヴェネチア・ビエンナーレ特別展 「スリッタメンテ」(ヴェニス、イタリア)
アニナ・ノゼイギャラーリー(ニューヨーク)
「Sound」ミューゼオン近代美術館(ボルツァーノ、イタリア)
「ニウセルフ」なんばシティホール(大阪)
スフィアメックス(東京)
キム・ライト・ギャラリー(ロスアンゼルス)
「ボディガード」ホーヘンタール・ウンド・バーゲン(ミュンヘン/ケルン、ドイツ)
「ホテル48時間」モダーンホテル・グラニ(デュッセルドルフ、ドイツ)
1994
「Arrested Childhood」ノース・マイアミ現代美術センター(フロリダ、アメリカ)
「フィギュア」ドイツ銀行ギャラリー(ニューヨーク)
「欲望の砂漠 ─ 快感原則の彼岸」スパイラルガーデン(東京)
「The Day After Tomorrow」、ベレン文化センター(リスボン、ポルトガル)
「人間像のゆくえ」徳島県近代美術館(徳島)
1995
「The Age of Anxiety」パワープラント(トロント、カナダ)
第6回スモールスケールスカルプチャートリエンナーレ、シュトゥトガルド・カンストハーレ(ドイツ)
「イメージの森」、稲沢市荻須記念美術館(稲沢、愛知)
「大阪トリエンナーレ1995」・彫刻、銀賞、マイドーム大阪(大阪)
1996
「ひとがた・カラクリ・ロボット」展、O美術館(東京)
「子どもの情景」三重県立美術館(津、三重)
「アイデアル・スタンダード・ライフ」、スパイラル(東京)
「TOKYO POP」平塚市美術館(平塚、神奈川)
「ヒニクなファンタジー」、宮城県美術館(仙台、宮城)
「ロンパールーム」スレッドワキシングスペース(ニューヨーク)
1997
「スーパーボディ」小山登美夫ギャラリー(東京)
「ペーパー」、ホーヘンタール・ウント・バーゲン(ミュンヘン、ドイツ)
「ヘブン」P.S.1現代美術センター(ニューヨーク)
1998
「Presumed Innocence」、ヴァージニア州立大学アンダーソンギャラリー(ヴァージニア)
コンテンポラリーアートセンター・シンシナティ(オハイオ)
「皆殺しの天使」ギャラリー・ギュレーヌ・ユスノー(パリ)
「アート・トランス・ペナイン・'98」テイト・ギャラリー(リバプール、イギリス)
「VOCA '98」、奨励賞、上野の森美術館(東京)
「マンガの時代」東京都現代美術館(東京)
1999
「ペインティング・フォー・ジョイ:1990年代日本の新しい絵画」、国際交流フォーラム(東京)
「サンプリング」ロナルド・フェルドマン・ファインアーツ(ニューヨーク)
2000
「現代美術百貨店」山梨県立美術館
「My Reality」ブルックリン・ミュージアム(ニューヨーク)
2002
「アート循環系サイト」大分市美術館(大分)
「アティテュード」熊本市現代美術館(熊本)
「ダブル・リアリティー」府中市美術館(東京)
2004
「アートがあれば」オペラシティーギャラリー(東京)
「ものづくりの逆襲」神奈川県民ホール(神奈川)
「VOCA 1994-2003」大原美術館(岡山)
「リボンの騎士の秘密の森」MY Art Prospects(ニューヨーク)
2005
「ハッピー・ホームCAMKコレクション」熊本市現代美術館(熊本) 2006
「いまいるところ/いまあるわたし VOCA賞に映し出される現代」宇都宮美術館、(栃木)
2007
「magical art life展 ─ あるコレクターの世界」ト−キョ−ワンダーサイト渋谷(東京)
「イリュージョンの楽園」MA2 Gallery(東京)
2008
「戦争と芸術 II」京都造形大学ギャラルリ・オープ(京都)
「20世紀の人間像」群馬県立館林美術館、(群馬)

[ パブリック・コレクション ]
府中市美術館、徳島県立近代美術館、大分市美術館、熊本市現代美術館、国際交流基金、第一生命保険相互会社、ピーター・ノートン・ファミリー・ファウンデーション(USA)、マルガリー・アート・ファウンデーション(USA)、ニューヨーク市(アメリカ)、大阪府、株式会社清水建設、株式会社富士ゼロックス  他多数

TARO CHIEZO TWO TOWERS
2008

Principle of Economy「経済の法則」
1996

Sumidagawa after Motomasa and or/WTC
2003-06

シンフォニー40番(雪舟に捧ぐ)/ Symphony No.40
2006

River flows: from Kasumigaseki to Akihabara
2005-6

Summer Dawn
2004-6

Rabbit Girl
1998

Dr. Strange Love
1998
現実を超える視覚的経験

太郎千恵藏が最近、第一生命ギャラリーで開いた個展では、新作の大きなペインティングが幾つか展示され、圧倒的な印象を与えていた。ニューヨークでワールドトレードセンターに旅客機が突っ込む現場を目撃してしまった彼は、そのツインタワーのイメージを、広重の浮世絵やや中国の山水画を下敷きにした画面のなかに、神話的なヴィジョンとして現出させている。彼の絵画は、私達の視覚的無意識の奥底にひそむ記憶の痕跡を呼び覚まし、現実より以上の現実的な視覚経験を作り出そうとするもので、そこから私たちが未来の指針となるべき何ものかをつかむことが可能となるよう意図されているのだ。たとえば「隅田川、元雅に捧ぐ、あるいはWTC」という作品のタイトルは、観世元雅作の能「隅田川」をふまえたことを表しており、そのなかで息子の霊を捜し求める母親が隅田川の畔でやっと彼に出会い成仏させるのだが、ワールドトレードセンター(WTC)の記憶は、あたかもこの東京で生命のように流れる川の畔で出現するヴィジョンによって、やっと私達のなかで今後につながるひとつの意味/意義が与えられるかのようなのだ。
太郎千恵藏は、かつて、今日の現代アートを牽引するマシュー・バーニー、ダミアン・ハースト、ジェフ・クーンズらとともに出品した「ポストヒューマン」展で、機会仕掛けで観客に向かって動いてくる子供服、という衝撃的な作品でアート界に広く認知されるに至った。それ以来、インスタレーション、立体、そして絵画という幅広い表現手段のあいだを往復しながら、一貫して、人間のアイデンティティや「他者」への問いかけを追及している。今日とみに表現の重点が移ってきている絵画においては、アニメやゲームやコミックのイメージ、あるいは古今東西の美術のイメージを引用しながら、彼独自のしかたで吸収された現代の絵画理論を踏まえつつ、私たちのヴィジョンの在り様への深い洞察を展開し、なおかつ上記のような人間存在にまつわる問題群をイメージのかたちで提出し続けている。今後、このようなアーティストの作り出す作品の意義は、私たちにとってますます必要なものになっていくことは間違いないだろう。
〜 倉林 靖/美術評論家


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