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高柳恵里
TAKAYANAGI Eri


[ 略歴 ]
1962   神奈川県に生まれる
1986   多摩美術大学絵画科油画専攻卒業
1988   多摩美術大学大学院美術研究科修了
1990-91   イタリア政府給費留学(ミラノ国立美術学院)

[ 個展 ]
1986
  かねこ・あーとG1(東京)
世田谷美術館区民ギャラリー(東京)
1987
  かねこ・あーとG1(東京)
1988
  ギャラリー山口(東京)
1989
  ルナミ画廊(東京)
1991
  「CURATOR’S EYE vol.2」ギャラリーNWハウス(東京)
ギャラリートランスメディウム(東京)
1992
  「New Year New Art‘92」モリスギャラリー(東京)
1993
  ギャラリーゼロ(大阪)
「新世代への視点−10画廊からの発言」ルナミ画廊(東京)
1994
  モリスギャラリー(東京)
ギャラリーNWハウス(東京)
1995
  ルナミ画廊(東京)
1996
  ルナミ画廊(東京)
1997
  「湿度と幸福」ギャラリーNWハウス(東京)
1998
  モリスギャラリー(東京)
1999
  モリスギャラリー(東京)
ギャラリーNWハウス(東京)
2000
  ON GALLERY(大阪)
2001
  なるせ美術座(東京)
2002
  モリスギャラリー(東京)
「工芸的なるもの」をめぐって・北澤憲昭連続企画VOL.9」ギャラリーMAKI(東京)
Gallery Jin(東京)
2003
  「近作展28 高柳恵理」国立国際美術館(大阪)
Gallery Jin(東京)
2004
  藍画廊(東京)
サイギャラリー(大阪)
2005
  ON GALLERY(大阪)
2006
  Gallery Jin(東京)
「展示」武蔵野美術大学美術資料図書館 民俗資料室ギャラリー(東京)

[ グループ展 ]
1985
  STUDIO 4F(東京)
「NEW ART IN 八王子」ART SPACE KEIHO(東京)
1986
  「上野毛図鑑 表現の現場から’86」多摩美術大学上野毛校舎(東京)
「饒舌な細部」ART SPACE KEIHO(東京)
「クロッシング」かねこ・あーとG1(東京)
1987
  「3 WAVES」EIGHT ROAD(東京)
「表現の現場展’87」多摩美術大学上野毛校舎(東京)
「8 EXHIBITIONS」世田谷美術館区民ギャラリー(東京)
1988
  「クロッシング」かねこ・あーとG1(東京)
「ART IN BOX 36」スパイラル・ガーデン(東京)
1989
  「ADMIX」なびす画廊(東京)
1990
  「第9回平行芸術展」小原流会館(東京)
「ルナミセレクション’90」ルナミ画廊(東京)
「第10回ハラアニュアル」原美術館(東京)
1991
  「ミラノ−アムステルダム」ブレラ国立美術学院(ミラノ)
「ザ サイレント パッション」栃木県立美術館(栃木)
「十五人の日本の現代彫刻家たち」イタリア文化会館(東京)
1992
  「彫刻の遠心力−この十年の展開」国立国際美術館(大阪)
1993
  「群馬青年ビエンナーレ’93 招待部門」群馬県立美術館(高崎)
1995
  「やわらかく 重く−現代日本美術の場と空間」埼玉県立近代美術館(埼玉)
ライフギャラリー(オハイオ)
1996
  「シガアニュアル ’96 ハンドメイド・オブジェ」滋賀県立近代美術館(滋賀)
1997
  「KUNST=KAPITAL」GALLERY 360゜(東京)
1998
  「コレクション NW’98 [モノクローム] 」ギャラリーNWハウス(東京)
「Each Artist, Each Moment 1998」ギャラリーGAN(東京)
1999
  「コレクション NW’99 [ステップス] 」ギャラリーNWハウス(東京)
「MOT アニュアル1999 ひそやかなラディカリズム」東京都現代美術館(東京)
「VOCA展 ’99 現代美術の展望−新しい平面の作家たち」上野の森美術館(東京)
「The Exhibit Collection」Gallery 那由他(横浜)
2000
  「コレクション NW’00 [アングル] 」ギャラリーNWハウス(東京)
「崇高と労働」板橋区立美術館(東京)
2001
  「美術館を読み解く−表慶館と現代の美術」東京国立博物館(東京)
「美術座2001α」なるせ美術座(東京)
「栞プロジェクト」石狩市民図書館(北海道)
2002
  「Jin Session Small Works2002」Gallery Jin(東京)
2003
  「Jin Session Small Works2003」Gallery Jin(東京)
「栞展2003」藍画廊(東京)
「ドローイングと……。」サイギャラリー(大阪)
「心の在り処」ルードヴィヒ美術館(ハンガリー)
モスクワ市現代美術館(ロシア)
2004
  「制限と(再)定義」MUSSE F+表参道画廊(東京)
「まる。」群馬県立近代美術館(高崎)
「ヴィジョン・クエスト 魂の旅、都市のかたち」 RE-KNOW(リノ)(東京)
2005
  「アルス・ノーヴァ−現代美術の工芸のはざまに」東京都現代美術館(東京)
「fearless」 Gallery Jin(東京)
「芸術の山」 NADiff(東京)
「Mot コレクション1920年代の東京 / 1960年代以降の美術」東京都現代美術館(東京)
2007
  「New Year Group Show」Gallery Jin(東京)
「20世紀美術探検−アーティストたちの三つの冒険物語−」国立新美術館(東京)

[ その他 ]
1997
  ゆめおおおか・アートプロジェクト(横浜)
1999
  公開講座 宮城県美術館(仙台)
Public Collections 滋賀県立近代美術館、霧島アートの森、国立国際美術館、東京都現代美術館

[ Public Collections ]
滋賀県立近代美術館、霧島アートの森、国立国際美術館、東京都現代美術館

相互関与
2001
(c)Eri Takayanagi

置物セット
2002
(c)志賀伸子

scene 1
2003
(c)Eri Takayanagi

生花
2004
(c)Eri Takayanagi

古着coordinate
2005
(c)田村和隆

Gift 『FUN』
2006
(c)Shinji Murakami & Eri Takayanagi

雑器
2006
(c)Eri Takayanagi

TV
2006
(c)Eri Takayanagi
「日常」の独自性

高柳恵里がこれまで制作してきた作品は、通常の観念からいえば、これが果たして美術作品なのか、と戸惑わされるものを多く含んでいる。乾いて固くなった雑巾、みかんの皮、小さな毛玉、文庫本のページ自体で作った文庫本用の栞、小学生が作って机の前に貼るような鉛筆と紙による簡単な表。今年(2007年1月)新しく開館した国立新美術館の開館記念展「20世紀美術探検」の最後のほうのセクションで、高柳は幾つかの新作を発表しているが、そこで出品されているのは、生け花、コーディネートされた古着、日常の室内を写した写真、それに壁に色のついた光を投射した作品であった。高柳は最初絵画を専攻していたのだが、やがて布や皮を木枠に張った立体作品への制作に移行し、キルトや毛糸、藤などを素材に使用し始めて、いまのような作風に至ったようだ。
まず確認しておきたいのは、高柳の作品は、私たちが普通に考える「作品」としての意味での、純然たる作品だ、ということである。20世紀美術に特有の、美術とそうでないものとを分ける「制度」を主題とした、提示されたもの自体にはさして意味のない「観念芸術」とは異なるのである。それでいて、彼女の作品は、暴力的に、裸の「もの自体」や素材自体を突きつけてくる類の作品でもない。これらのものや素材が私たちにとって持っている情緒的意味や出会いの独自性を、こうした作品は内に含んでいるのである。かといって、こうした作品は日常品の単なる呈示かというとそうでもなく、それらはやはり「美術」として、形態として成立し、「見られる」ことの意義をも獲得している。こうした既成の現代美術の観念を幾つも否定して、ようやく、彼女の作品の持つ純然たる肯定性(しかし、それはいかにも、いろいろな意味で、ぎりぎりの肯定性だ)にたどりつくこともできる。しかし本来はこれらは、素直に対峙して受け取られるべき作品群なのだろう。
私たちが日頃経験するさまざまな感情、感覚、思考が、じゅうぶんに熟考され吟味されるところから、表現され立ち上がってくる、これらの作品群。高柳の作品はそうした基本的な側面を持つために、私たちになおさまざまな発見と思考を促し続ける。今回国立新美術館で新たに発表されたライティングによるインスタレーションは、また彼女の新たな展開を告げるようでもあり、今後もますます私たちは彼女の営為から眼を離せすことができない。
〜 倉林 靖/美術評論家


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