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東海林弘靖
SHOJI Hiroyasu / ライティングデザイナー


[ 略歴 ]
1958年生まれ。
工学院大学・大学院修士課程建築学専攻修了。
光と建築空間との関係に興味をもち建築デザインから照明デザインの道に入る。
1990年より地球上の感動的な光と出会うために世界中を探索調査、アラスカのオーロラからサハラ砂漠の月夜など自然の美しい光を取材し、光との出会いの感動を糧に、空間における光のデザインを行っている。
主な仕事に「まつもと市民芸術館」「富弘美術館」「MIKIMOTO Ginza2」「パシフィックセンチュリープレイス丸の内」「TOD’S表参道」「日本工業大学百年記念館」などがある。

LIGHTDESIGN INC.代表
国際照明デザイナー協会プロフェッショナル会員
http://www.lightdesign.jp


『食うカラキネ展』光の空間インスタレーション
2004

光ファイバーインスタレーション
1999

MOGULLA
2004

光の音色
2004

光の草
2004

BLOSSOMS
2007

HIGH HEELS
2007

フライング・チェア
2007
光の作曲、光のレシピ

東海林弘靖は彼のオフィス「ライトデザイン」と共に、商業施設、オフィス、文化施設など様々な場所で仕事をしている、気鋭の照明デザイナーである。伊東豊雄の建築とのコラボレーションも多く(「MIKIMOTO GINZA2」「TOD'S 表参道ビル」「まつもと市民芸術館」「瞑想の森市営斎場」、伊東豊雄展「新しいリアル」の会場照明)、また美術関係ではヨコミゾマコトの「富弘美術館」の印象的な照明計画も知られている。
東海林はまた、これまで幾つかのインスタレーションや、アーティストとしての展示も行っているが、それも彼の「光」に対する感性と考え方をよく示している。天井からぶらさがった紐状の照明、あるいは様々なオブジェ状の照明など、また最近の個展では、床から伸び上がった細い茎状の照明が、鑑賞者が通るとき起こる微かな風や振動などで微妙に揺らぎ、そのことで光を明滅させるといった展示などで、時間の流れのなかで光が命をもった生き物のように息づき、呼吸するさまを、印象深く示していた。
東海林は最近出版した、日常生活のなかでちょっとした工夫で照明を演出するノウハウを書いた本のタイトルを『Delicious Light』と名付けたり、また「光のソムリエ」という言葉も使っており、光を単に実用的に部屋を「明るくする」だけでなく、生活の質を高め、料理を「味わう(テイスティングする)」ように光を豊かに楽しむことを常に提案してきた。また彼は「ゆっくりと時間軸で変化する光」のありかたを「光の音楽」と呼び、また照明計画を進めることを光を「作曲すること」とも言っている。クラブやパーティ等での、ディスクジョッキー(DJ)やビデオジョッキー(VJ)ならぬ、ライトジョッキー(LJ)という在り方も提案したことがあるというが、生活 / 社会のなかで光を演出するという考え方は、日本ではこれから本格的に根付かせていかねばならないものだろう。
料理のように、または音楽のように、時間とともに、光を豊かに感じること。今後の生活のなかで、こうした、アート的感性とデザインの融合は、他の分野でもいっそう重要になっていくだろう。そのようななかで、東海林の仕事も、今後ますます注目度が高まっていくに違いない。
〜 倉林 靖/美術評論家