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オノデラユキ
Onodera Yuki


[ 略歴 ]
1962
  東京都生まれ
1991
  第1回「写真新世紀」受賞 (日本)
1996
  第21回「写真批評家賞 KODAK」審査員特別賞受賞
 (フランス)
2001
  第17回「東川賞新人作家賞」受賞 (日本)
2002
  「日本写真協会新人賞」受賞 (日本)
2003
  「木村伊兵衛賞」受賞 (日本)

[ 個展 ]
1993
  「白と玉」細見画廊 (東京)
1995
  「DOWN・第一部 ─ 液体とコップ」ツァイト・フォト・サロン
 (東京)
「DOWN・第二部 ─ 古着のポートレート」ガレリア・キマイラ
 (東京)
「DOWN・第三部 ─ 鳥」Aki-Exギャラリー (東京)
「古着のポートレート」フランス・モード研究所
 (l'Institut Français de la Mode) (パリ)
1996
  「古着のポートレート」リヨン大学
 (l'Université Lumière Lyon ll) (リヨン/フランス)
1997
  「三部作展」ギャラリー・ラージ・サロモン
 (Galerie Laage-Salomon) (パリ)
「古着のポートレート」テアトルグラニ県立ギャラリー
 (Galerie Théâtre Granit)
 (ベルフォール Belfort/フランス)
1998
  「Yuki ONODERA et Son Mouvement 展」イルテンポ
 (東京)
1999
  「オノデラユキ 展」群馬県立近代美術館 (高崎)
「P.N.I.」ツァイト・フォト・サロン (東京)
「C.V.N.I.」イルテンポ (東京)
2000
  「P.N.I.」「C.V.N.I.」テアトルグラニ県立ギャラリー
 (Galerie Théâtre Granit)
 (ベルフォール Belfort/フランス)
2001
  「真珠のつくり方」「ZOO」ツァイト・フォト・サロン (東京)
「窓の外を見よ」イルテンポ (東京)
2002
  「真珠のつくり方」「窓の外を見よ」
 ギャラリー・RX(Galerie RX) (パリ)
「P.N.I.」「C.V.N.I.」エスパス ローレンスドレフィス (パリ)
「Transvest」ツァイト・フォト・サロン (東京)
「ミツバチ ─ 鏡」イルテンポ (東京)
2003
  「Transvest」C・スクエア (名古屋)
2004
  ギャラリー・RX(Galerie RX) (パリ)
クイックシルバーギャラリー (ベルリン)
AFAA ─ フランス外務省 (パリ)
「関節に気をつけろ!」ツァイト・フォト・サロン (東京)
「Roma ─ Roma」イルテンポ (東京)
2005
  「オノデラユキ写真展」国立国際美術館 (大阪)
ギャラリー・RX(Galerie RX) (パリ)

[ 主な展覧会 ]
2000
  「日本の現代写真展」ハレ現代美術センター (ドイツ)
「不完全な歴史 ── 日本における女流写真家 1864-1997展」マサチューセッツ大学併設美術館
 (マサチューセッツ/アメリカ)
「日本の現代写真展」ボーフム 美術館 (ドイツ)
「当代日本撮影家展」上海サンヤ写真ギャラリー (上海)
「日本の現代写真展」カールスルーエ現代美術センター
 (ドイツ)
「映像月間展」アルベール・シャノ現代美術センター
 (クラマール/フランス)
2001
  「イリュージョン展」ストックホルム文化センター
 (スウェーデン)
「第17回東川町国際写真フェスティバル展」
 東川町文化ギャラリー (北海道)
2002
  「イリュージョン展」写真美術館 (オデンツ/デンマーク)
「日本現代写真展」ラトビア写真美術館 (リガ/ラトビア)
「衣服のパロール展」ブールゴワンジャリユ美術館
 (ブールゴワンジャリユ/フランス)
「ギャラリー・RXオープン展」ギャラリー・RX (パリ)
「日本写真協会賞受賞展」富士フォトサロン (東京)
「建築/生体展」ネイリヒト公立ギャラリー
 (ルクセンブルグ)
「イリュージョン展」フィンランド写真美術館
 (ヘルシンキ/フィンランド)
「写真新世紀10周年記念展」東京都写真美術館 (東京)
2003
  「木村伊兵衛賞受賞展」ミノルタフォトスペース
 (東京、大阪)
「Aura展」ギャラリー・RX (パリ)
「浮世─日本当代撮影展」オーラギャラリー (上海)
「モン・パリー写真家たちの巴里展」ギャラリーヴァンテアン
 (東京)
2004
  「六本木クロッシング:日本美術の新しい展望2004展」
 森アートミュージアム (東京)
「浮世─日本当代撮影展」広東美術館 (広州/中国)
「アウト・オブ・オーディナリー展」ケルン日本文化センター
 (ドイツ)
「パラダイスの向こうに展」ギャラリー Hengevoss-Duerkop
 (ハンブルグ/ドイツ)
「アペレントリー・ライト」ネイリヒト公立ギャラリー
 (ルクセンブルグ)
2005
  MOTアニュアル2005「愛と孤独、そして笑い展」
 東京都現代美術館 (東京)

[ 最新情報 ]
● 「オノデラユキ展」
国立国際美術館 (大阪・中之島)
展覧会会期:2005年2月5日〜4月17日
 → http://www.nmao.go.jp/

● mot annual 2005 "life actually"
「愛と孤独、そして笑い展」
東京都現代美術館 (木場)
展覧会会期:2005年1月15日〜3月21日
 → http://www.mot-art-museum.jp/

“Portrait of Second-hand Clothes”No.3
1994年

“How to make a pearl”no.20
2000年

“Transvest”Andy,Frank and Pierre
2003年

“Transvest”Krio
2003年

“Transvest”Lisa
2002年

“Transvest”Sophie and Eva
2003年

“Transvest”Urd,Tin and Kelly
2003年

“Watch your joint !”No.2
2004年
魔術としての写真のイメージ

オノデラユキの写真は、その当初の発想としては純粋に視覚のトリック、遊びとして作られたものが多い――室内にオブジェを置く、洋服を立たせて撮る、カメラの中にビー球を入れて撮る、あるいはカメラでカメラを撮る、など――にもかかわらず、常に、観る者にどこか不思議な感触を与える。なにか詩的な要素というか、懐かしさというか、そういうものである。いちばん初めの個展「白と玉」の作品もそうだったし、あるいは初めて会ったときに確か見せてもらった、自家製のミニ写真絵本のようなもの(やはり、室内の様々な場所にオブジェが出没する、というようなものだったと思う)にも、そのような感触が息づいていたような記憶がある。しかし考えてみれば写真とは誕生当初からそもそもそういうものだったのであって、視覚における技術的・科学的なカラクリであると同時に、そこに何か魔術的なもの、いかがわしく魅力的なもの、未知の不思議な世界への憧れを感じさせるものでもあったのだ。初期のダゲレオタイプの鏡のような表面を傾けてそこに鮮明な画像が出現するのをみたとき、十九世紀の人間は、近しいものでありながらしかも永遠に遠ざかっている何者かをそこに見出していたのである。してみれば、オノデラの作品は、写真というメディアが持っている、世界を拡げ世界を変質させてみせるという或る本質を、常に直截的に示しているのだといってもいい。
オノデラがここ最近の幾つかの展覧会で発表している「トランスヴェスト」シリーズを見たとき咄嗟に抱いたのは、これは21世紀の人間の肖像そのものだ、という印象だった。かつてアウグスト・ザンダーがその写真作品で見事に典型的な二〇世紀人の肖像を呈示してみせたように。その作品群が、実は雑誌などから切り取られてきたイメージをシルエットにして立体的に見えるように作られたものだと知ったのはだいぶ後になってからのことで、些か肩透かしを喰った感じもないではなかったが、しかし考えてみれば、最初の印象はそれはそれで適切なものだったのかもしれない。様々な人種、性、年齢といった立場をシルエットによるファッションや身振りで想像させ、何か物語的なものをも感じさせるこれらの作品――それらは床から宙に浮き、浮遊しているようにもみえる――は、はじめから複製的なイメージだったからこそ、人間の存在の生きて在ることの不思議さ、愛おしさを充分すぎるほど濃密に担っている。オノデラはこうした作業によって、わたしたちの文化世界におけるイメージというものの在り様の本質を静かに、しかし力強く呈示しているのである。
〜 倉林 靖/美術評論家