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長沢秀之
Hideyuki Nagasawa

[ 略歴 ]
1947年埼玉県狭山市生まれ
1972年武蔵野美術大学産業デザイン学科卒業
現在、武蔵野美術大学油絵学科教授

[ 個展 ] Solo Exhibitions
1979
  かねこ・あーとギャラリー(1.23〜2.3)/東京
1980
  かねこ・あーとギャラリー(4.7〜17)/東京
1981
  銀座絵画館(5.18〜27)/東京
1982
  鎌倉画廊、銀座絵画館(9.6〜11)/東京
1983
  鎌倉画廊(5.30〜6.11)/東京
1984
  西武百貨店渋谷店美術画廊(2.16〜21)/東京
ギャラリーヤマグチ(9.3〜29)/大阪
1985
  ANDO GALLERY(2.1〜3.2)/東京
1986
  イノウエギャラリー(3.10〜29)/東京
ギャラリー・モーヴ(11.15〜27)/東京
1989
  FBCギャラリー(5.13〜6.11)/福井
イノウエギャラリー(5.16〜6.3)/東京
ギャラリーNWハウス(5.24〜6.5)/東京
1992
  ギャラリーNWハウス(1.15〜2.3)/東京
1993
  スカイドア・アートプレイス青山(2.5〜3.6)/東京
南天子ギャラリーSOKO(2.15〜3.6)/東京
1995
  南天子ギャラリーSOKO(2.13〜3.4)/東京
1997
  南天子画廊(1.20〜2.4)/東京
「長沢秀之展 ─ 風景の断面 ─」網走市立美術館(11.12〜29)/北海道
1999
  南天子ギャラリー(7.19〜8.7)/東京
村山画廊(10.5〜23)/東京
2000
  川越画廊(5.13〜6.3)/川越
2001
  村山画廊(5.15〜6.2)/東京
2003
  川越画廊(9.16〜10.4)/川越
ギャラリーシェール(11.22〜12.6)/宇都宮
2004
  ギャラリー・モモ(10.30〜11.26)/東京
2005
  アート・トレイス・ギャラリー(5.1〜29)/東京
2006
  「長沢秀之 メガミル」アート・トレイス・ギャラリー(10.3〜29)、ギャラリー・モモ(10.7〜11.4)/東京
2008
  「風景からフウケイへ ─ 長沢秀之展」川越市立美術館(7.12〜9.7)川越
「長沢秀之展 ─ ヒマク」ギャラリー・モモ(7.12〜8.9)/東京
「長沢秀之展 ─ ヒマク」川越画廊(7.19〜8.3)/川越

[ 主なグループ展 ]
1978
  「第12回日本国際美術展」東京都美術館(4.25〜5.10)、京都市美術館(6.6〜18)
1979
  「第14回現代日本美術展」東京都美術館(4.25〜5.9)、京都市美術館(6.7〜20)
1983
  「第19回今日の作家展 内面化される構造」横浜市民ギャラリー(11.18〜29)
1984
  「日本の抽象絵画展」イノウエギャラリー(4.8〜20)/東京
「現代美術の現在 ─ 内面化される構造2」東京セントラル美術館(7.23〜29)
「第2回大阪現代アートフェアー'84」大阪府立現代美術センター(8.27〜9.8)
1986
  「開廊5周年記念展 ─ 気になるアーティスト ─」ギャラリーヤマグチ(5.10〜24)/大阪
「日本アートフェアー'86」東京セントラル美術館(7.7〜20)
「コオジ オグラ ギャラリー開廊展(第2期)」コオジ オグラ ギャラリー(9.20〜10.9)/名古屋
「朝比奈逸人・長沢秀之二人展」ギャラリーヤマグチ(10.4〜25)/大阪
1987
  「ジャパン・クリエイティブ展」有楽町アート・フォーラム(5.15〜26)/東京
1988
  「現代版画74作家展」ギャラリーラミア(4.11〜24)/東京
1989
  「日仏会館ポスター展」有楽町アート・フォーラム(9.29〜10.10)/東京
「現代美術への視点 ─ 色彩とモノクローム」東京国立近代美術館(9.30〜11.26)、京都国立近代美術館('90.1.5〜2.12)
1990
  「ART TODAY 1990 複製技術時代の芸術(ルビ:アウラ)復興」セゾン現代美術館(9.8〜11.4)
1991
  「色相の詩学 ─ 現代美術・平面からのメッセージ」川崎市市民ミュージアム(11.2〜12.15)
1993
  「NICAF 第2回国際コンテンポラリー・アート・フェア」パシフィコ横浜(3.19〜23)
1994
  「セゾン現代美術館コレクション展 戦後日本の絵画」セゾン現代美術館(7.2〜9.4)/長野
「3rd.北九州ビエンナーレ クイントエッセンス」北九州市立美術館(10.15〜11.27)
1995
  「Works on Paper」南天子画廊(10.9〜27)/東京
「現代美術への視点 ─ 絵画唯一なるもの」東京国立近代美術館(11.3〜12.17)、京都国立近代美術館(96.1.5〜2.12)
1996
  「平成7年度文化庁買上優秀美術作品披露展」日本芸術院会館(2.28〜3.1)/東京
1997
  「人間と風景 ─ 近代日本美術の名作 ─」東京国立近代美術館(7.28〜9.6)
「オーペラ・アペルター開かれた作品の詩学」セゾン現代美術館(9.13〜11.24)/長野
1999
  「呼吸する風景」埼玉県立近代美術館(6.22〜8.8)
2004
  「文化庁買上優秀美術作品展 戦後美術 俊英の煌めき」川越市立美術館(10.16〜12.5)
2007
  「New Works 2007 小品展」川越画廊(2.17〜3.3)/埼玉

[ パブリックコレクション ]
東京国立近代美術館 セゾン現代美術館 大原美術館 京都国立近代美術館 高松市美術館 川越市立美術館

大きいコドモ(Large Codomo)
2007

生命体 No.8(Life Being No.8)
2008

生命体 No.3(Life Being No.3)
2008

182頭の羊(182 Sheep)
2008

皮膜1(Membrane1)
2007

皮膜2(Membrane 2)
2007

皮膜4(Membrane 4)
2008

皮膜5(Membrane 5)
2008
「視ること」:認知あるいは共感

長沢秀之はその画業のなかで、「絵画」および「視ること」の本質を徹底的に追及してきた画家である。大学時代はちょうど六〇年代末から七〇年代初めの学生運動期にあたり、絵画と映画という二つのジャンルを模索していた長沢は、時代がつきつけてくる、「創作」への根本的な疑義というジレンマに直面していた。「自由に描くこと」の困難な状況のなかで、彼はまず絵画を成立させている「形式」へ関心を向けていく。それは同時に「視ること」の形式への関心でもあった。
1980年代から90年代にかけて製作された『風景』のシリーズは、描きたくても描けなかった「人間」を描こう、という手立てのなかで生まれた。日本では「自然」に埋没させられている「人間」を客観的に捉えるために、個人がそれを視て、それに対している「風景」を描こうとしたのである。それはやがて、網膜内で起こっている(視覚的)現象を描くことへの関心へと移っていく。
丸いかたちを描いて、平面に遠近や大小の視覚的印象が生じてくることの探究、また同じモティーフを縮小された状態からどんどん拡大していって、ついにはドットの集積の画像にまで至らせる探究など、今日に続く長沢の画業は、より主観性を排した、視覚の営みへの客観的な探究そのものによって絵画を成立させている。しかしその拡大/縮小の営みのなかで描かれているのが、子供、動物、植物、そして宇宙飛行士や羊など、生命を感じさせるモティーフが多いことは、興味深い。長沢は「視る」ことの探究を通じて、ついに細胞、脳神経、そして遺伝子レベルでの生命同士の「認知」と「共感」という主題にたどりつこうとしているのかもしれない。彼の近年の作品が、「絵画」としての普遍的な、暖かさを伴った感覚を獲得しているのは、そういた事情によるのではないだろうか。
〜 倉林 靖/美術評論家