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森本太郎
Taro MORIMOTO


[ 略歴 ]
1969   岡山県倉敷市生まれ
1994   東京造形大学デザイン学科卒業
1995   東京造形大学研究生(岡村多佳夫研究室)修了

[ 主な個展 ]
2001
  「recollection」アユミギャラリー (東京)
2002
  「reminder-記憶の連鎖-」Space Kobo & Tomo (東京)
2003
  「souvenir-物質と記憶-」アユミギャラリー (東京)
2004
  「残像-after image-」アユミギャラリー (東京)
2005
  「project N 23 森本太郎」東京オペラシティアートギャラリー (東京)

  「painting /embroidery」Space Kobo & Tomo (東京)

[ 主なグループ展 ]
1996
  岡村多佳夫企画 I 佐野陽一 ・ 森本太郎二人展 アユミギャラリー (東京)
1998
  寿限無'98世紀末複製事件 -ART BY XEROX- 現代美術製作所 (東京)
1999
  岩崎容子 ・ 佐野陽一 ・ 森本太郎三人展 ギャラリー檜 (東京)
2002
  「点線」東京デザインセンター新人賞の進行形展 東京デザインセンター (東京)
2003
  ARTISTS BY ARTISTS 森アーツセンター (東京)
2004
  寿限無'04 Super Multiple Art Project -ART BY XEROX- 現代美術製作所 (東京)
2005
  「REALITY CHECK」 東京造形大学附属横山記念マンズー美術館 (東京)

[ 受賞 ]
1994
  第1回東京デザインセンター新人賞 ・ 銀賞
  JACA'94日本ヴィジュアル ・ アート展金賞
1995
  JACA'95日本ヴィジュアル ・ アート展入選
1996
  JACA'96日本ヴィジュアル ・ アート展特別賞


ミラノの花 #3
2003年

ミラノの花 #4 -embroidery-
2005年

flower icon -green #3-
2004年

necklace
2003年

flowers
2003年

three brown flowers
2005年

「project N 23 森本太郎」展
2005年

「painting /embroidery」展
2005年
「イメージ」の地震計

森本太郎の作品は、絵画が作者の内面の表出であるとか、何かメッセージ的なものの表現であるとかいった観念を、ことごとく裏切るようなかたちで成り立っている。それは一見、心地よさを与えるイメージであり、作品の作り手と受け手のあいだの情緒的な交流を可能にするものであるように思えるが、しかしその作品のつくられかたは、おおよそそのような心情的なありかたとは隔たっている。彼の近年の作品のモティーフは広告や雑誌から任意に切り取られたものであり、それをコンピュータでスキャンしランダムなモザイク化=抽象化を繰り返しながら全体を加工し、下絵としてのイメージを固めていく。これと同時に使用する色のカラーチャートも作り、これをもとに、実際の作品は、ケーキ作りのように口金をつけた絞り器にメディウムを入れて絞りながら線を引いていく。こうしてできる立体的な線の枠に囲まれた領域のなかに、絵具を塗っていき、作品は完成されるのだという。
コンピュータにイメージを取り込み加工すること、しかし作品はもう一度職人的な手作業によってカンバスに定着されるということ。そしてそのあいだ、一貫してモティーフ自体に作者の主観が入り込む余地がないということ。これらのことは、今日の人々における一般的な「イメージ」の形成のされかたを強く意識させるものとなっている。どんなに手作業的であってもどこかに機械的な視線とプロセスが入り込んでいること、それゆえに、今日のイメージの形成はどんなに個人的なものであろうとどこか社会的な形成作用を受けざるをえないということ。しかも、それがめぐりめぐって受け手の側に情緒的な作用を引き起こすことがありうる、ということ。森本は以前から写真のカラーコピーやアニメのイメージを使って平面やインスタレーションを行ってきており、イメージというものへの微妙なスタンスが一貫して作品思考に含まれている。近作にはコンピュータで加工した下絵をもとに刺繍によって完成されるものもある。彼の作品はこれからも今日の「イメージ」のありようを測定する地震計のような役割を果たしていくにちがいない。
〜 倉林 靖/美術評論家