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 ウェブスカイドア 現代篇
 



小西真奈
KONISHI Mana
写真撮影:石倉麻夕


[ 略歴 ]
1968   東京都生まれ

[ 主な個展 ]
2003
  「美しい場所」Space Kobo & Tomo(東京)
2004
  「project N」東京オペラシティーアートギャラリー
「Studies」Space Kobo & Tomo(東京)
2005
  「Dream Days」Space Kobo & Tomo(東京)
2006
  「金華山」Space Kobo & Tomo(東京)
「おさるのくにと竜宮」Space Kobo & Tomo(東京)
「夏の島」Space Kobo & Tomo(東京)

[ 主なグループ展 ]
1993
  「Walk the Goddess Walk - Multi Media Exhibition」DCAC ワシントンDC(USA)
1994
  「Portraits - Paintings and Drawings by Seven Artists」Georgetown University ワシントンDC(USA)
1995
  「Superbia - Biennial Emerging Artists Exhibition」WPA ワシントンDC(USA)
1999
  「DC Commission on the Arts Fellowship Recipients Exhibition」ワシントンDC(USA)
2005
  「Aランチ」AXIS ギャラリー ANNEX(東京)
2006
  「VOCA 2006 The Vision of Contemporary Art」上野の森美術館(東京)

[ 賞 奨学金 ]
1994
  Maryland Institute International Graduate Fellowship - Tuition Award(大学院 奨学金) Maryland Institute College of Art ボルチモア メリーランド州(USA)
1995
  The Graduate Painting Award Maryland Institute College of Art ボルチモア メリーランド州(USA)
1998
  Grants in Aid Fellowship DC Commission for the Arts and Humanities ワシントンDC(USA)
2002
  The S&R Washington Award The S&R Foundation ワシントンDC(USA)
2006
  VOCA賞受賞

[ 学歴 ]
1993
  Corcoran School of Art 卒業(学士) ワシントンDC(USA)
1996
  Maryland Institute College of Art, Hoffberger School of Painting 修了(修士) メリーランド州(USA)

[ パブリックコレクション ]
2004
  「学習院女子大学」(東京)
2005
  「豊寿苑」(愛知)

2007年11月に第一生命ギャラリーにて個展を予定しています。

「西の空」
2006

「海に向かう」
2006

「Beach ― 空」
2006

「南の島1」
2006

「つり船1」
2006

「岩場」
2006

「午後の海」
2006

「馬」
2006
イメージの遠心性と求心性

小西の絵画は、だいたいにおいて、ある場所に行ったとき撮った写真を基に描かれている。写真のかたちになったときに気になる部分を、強調するように描いている、ということだが、こうして描かれた絵画は、現実→写真→絵画というシステムの置換のなかで、もとの印象からじょじょに「ずれていく」ことで成り立っている、といってもいいだろうか。いわば、イメージをもとの状態から遠心的に導かれるように形成していく、ということだ。しかしいっぽうでは、作者はもともと受けた印象・空気感を再現したいという意向を持ち、そのためにこうした作業を行ってもいるようなのであって、その場合には、ここでの描く行為は、ふつう絵画というものについて考えられているように、もとの、初源的な印象に遡及的に近づこうとする、求心的な作用であるともいえるわけなのだ。
この、遠心的であるとともに求心的、はじめの印象から遠ざかっていくイメージであると同時にもとの体験に近づいていこうとするイメージであるという二面性が、小西の絵画のなかにある、現実的であるようでいてどこか非現実的のような、あるいは、居心地良さそうだがしかしどこかしら奇妙に安定感を欠いたような、そうした性質を説明するのかもしれない(故意に遠近感を欠き平板化された風景、しかし物語的ともみえてきそうな、不思議なイメージの魅惑)。
ここでは、わたしたちが現実とその印象、そのイメージについて考える場合の不確かさが、露呈されていると考えるべきなのだろうか。私たちが現実と呼んでいるのは、何なのか、その一瞬の受容の際にのみ存在するものなのか、それともそれは立ち遅れ変容されて私たちのうちに蓄積される印象、イメージのなかにあるとみるべきなのか。絵画と写真の関係をめぐる考察として、かつてフォトリアリズムないしはスーパー(ハイパー)リアリズムという方法があったわけだが、しかしそうした作品のなかには、少なくとも写真のかたちに定着され物質化・客体化されたイメージへの絶対的な信頼はあった、と考えると、小西の絵画にみられるこうした曖昧さ、居心地悪さは、今日の私たちにははるかに魅力的にうつる。こうした事態を出来させたのが、写真を印画紙に焼くことが必然的ではなくなった今日の電子的環境であるらしいことは、現代文化への奇妙な感慨を思わせるのである。(倉林靖/美術評論)