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長谷川 繁
Shigeru Hasegawa

[ 略歴 ]
1963 滋賀県生まれ
1986 愛知県立芸術大学美術学部絵画科油画専攻卒業
1988   同  大学院美術研究科修了
1989 - 1992 デュッセルドルフ芸術アカデミー修了
1992 - 1994 De Ateliers  オランダーアムステルダム
1996 帰国 東京に在住
2003 - 2004 オランダ-アムステルダムに在住 制作

        神奈川県川崎市に在住

[ 個展 ] Solo Exhibitions
1994
  De Ateliers (オランダ、アムステルダム)
1995
  AKI-Ex ギャラリー (東京)
1996
  SCAI THE BATHHOUSE (東京)
「ワークショップ=エキジビジョン」- 山口県立美術館 (山口)
1997
  ON Gallery (大阪)
1998
  MUSEUM HAUS KASUYA (神奈川)
2002
  Gallery MAKI (東京)
Gallery NAF (名古屋)
2003
  ON Gallery (大阪)
2005
  ギャラリー ユマニテ東京 (東京)
2006
  appel (東京)
ガレリア フィナルテ (名古屋)
2007
  T&S gallery (東京)
2008
  「ABSTRACT」 void+ (東京)
ガレリア フィナルテ (名古屋)

[ 主なグループ展 ]
1994
  「Buning Brongers Prize」 Arti et Amicitie (アムステルダム)
1996
  「TAMA VIVANT'96」 多摩美術大学 (東京)
「Kind of Blue」 白土舎 (名古屋)
「Sunny Side up」 ギャラリー那由他 (神奈川)
1997
  「Three Bells」 ON Gallery (大阪)
「時分の花」 Gallery ART SOKO (東京)
1998
  「VOCA'98」 上野の森美術館 (東京)
「MORPHE'98」 相賀小学校跡他 (三重)
1999
  「RULE」 T&S gallery (東京)
2000
  「Itazu Litho-Grafik 」 Museum Haus KASUYA (神奈川)
「安田一雄追悼記念展」 東久留米市民文化会館 (東京)
2003
  「日本団地」 ギャラリー北村 (東京)
「水無月 - Itazu Litho-Grafik」 文房堂ギャラリー (東京)
「絵画=連立と単立」 Museum Haus KASUYA (神奈川)
「ZONE-不穏な時代の透視者たち」 府中市美術館 (東京)
2005
  「11 th インド トリエンナーレ」 (インド デリー)
「人工夢」 名古屋市民ギャラリー矢田 (名古屋)
2006
  「LVRFI」 Studio ONO (神奈川)
2007
  「アートムーブ2007岩国」 シンフォニア岩国 (山口)
2008
  「LVRFI2」 T&S gallery (東京)
「drawings - 考える手」 名古屋市民ギャラリー矢田 (名古屋)
「絵画=連立と単立 2」 Museum Haus KASUYA (神奈川)

[ 文献、定期刊行物 ]
1995
  BT 12月号 展評 西村智弘
芸術新潮 12月号 stardust -展評
JAPAN TIMES Review - Peter Bellers
1996
  BT 9月号 展評 森司
-美術と教育- インタビュー 中村政人
1997
  -時分の花- によせて OJUN
産経新聞 アート今 澁澤和彦
1998
  VOCA'98 カタログ 林洋子
BT3月号 Interview アーティストインレジデンス
TAMA VIVANT'98 カタログ 金子和美
BT 11月号 新しい具象 西村智弘
2002
  -絵画の誠実- 展覧会リーフレット 西村智弘
Gallery NAF 展覧会リーフレット「なんでもいいの逆説」 山本さつき
書道界 Intercommunication 提髪明男
展評12 Summer 島敦彦
etc. 展評7-8月 斉藤一典
BT 9月号 展評 山本さつき
etc. 11月号 Interview 斉藤一典
2003
  BT 3月号 「絵画であったりなかったり」 山本さつき
絵画、連立と単立 リーフレット 光田 由里
2005
  11 th インドトリエンナーレ カタログ 中井 康之
11 th インドトリエンナーレ カタログ 山本 さつき
ジグマー ポルケ展 エッセイー上野の森美術館リーフレット
2006
  「麒麟-絵」 ガレリアフィナルテ 展覧会リーフレット
O JUN
2007
  BT 6月号 「マルレーネ デュマスとオランダ絵画」自筆文
アートトップ 7月号 「青い人物のいる絵」 杉戸 洋
アートトップ 9月号 「見えない絵画、野村和弘の作品について」 自筆文
BT 11月号 ホルベイン 画家たちの美術史 57
「絵画の豊かさという名の深淵な世界」 中井 康之
MMJ 11月号 「リンゴ、ピーマン、バナナ」 中村 麗
2008
  「画家OJUN」 OJUN展(ガレリアフィナルテ)リーフレット自筆文
「ABSTRACT」リーフレット自筆文

[ 所蔵 ]
愛知県立芸術大学
山口県立美術館
府中市美術館
国立国際美術館


2003

2004

2006

2006

2006

2007

2008

2008
かつて見たことのない、イメージの奇妙な連関

長谷川繁の絵画は、見る者をなんとも奇妙な感触に導く。壺や椅子、布、不思議な模様や色のカーテン、あるいは野菜や果物――林檎、バナナ、ピーマン、キュウリ――が組み合わされて、ある構成体、ときに顔や人体を作り出す。その色彩や形態は、鑑賞者の意表を突くような、想像もできないような感覚をもたらして、見る者を揺さぶる。かつて出会ったことのないイメージの連関を前にして、ひとは、それを言葉や観念に翻訳できないもどかしさに身悶えしつつ、なお、これらの裸のイメージそのものが持つ、奇妙で鮮やかな喚起力に身を委ねることになるのだ。既成の観念や物語性をできるだけ廃した地点で、表象を提出し、創造を行おうという、作者の意図がそこに表れており、そこではひとが日常持つイメージと観念のありかたへの、根本的な問いかけが行われているのである。
彼の創作に、あえて歴史的な語彙を重ねるとすれば、「シュルレアリスム」ないしは「形而上絵画」との関連を思い浮かべることができるかもしれない。「もの」の思いがけない配置(デペイズマン)によって、そのイメージが本来持つ衝撃力を奪還すること。しかしまた長谷川の絵画には、彼がドイツを経てオランダで学んだ、ヨーロッパ絵画の粋――たとえば、フェルメール等に代表される室内画――と対峙する姿勢も、あらわれているかもしれない。彼の絵画は、そうした近代絵画の歴史に、いま現在の日本に住むわたしたちの現実を対決させたうえでの、「絵画」の本質への執拗な探究が生み出させたものなのだ。
長谷川は現在、都内のデザイナーズ家具の販売店内での、自作や他の作家の作品の展示のディレクションを、ずっと継続して行っている。これは現代絵画を再び日常空間に対峙させ、両者を活性化させようという試みで、作家の側によるキュレーションやディレクションという事例が多くなっている今日において、彼自身の創作にも深く関わる重要な意義を持っている。これらの動向も含め、長谷川の創作の行方は、きわめて注目に値する、といっていいだろう。
〜 倉林 靖/美術評論家