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略歴

1971年

東京生まれ
1997年

武蔵野美術大学視覚伝達デザイン学科卒業

eclipse
1998年

SW EXHIBITION
1999年

SW EXHIBITION
1999年

6P (six people, six pieces, six push buttons)
2000年

6P (six people, six pieces, six push buttons)
2000年

counter-punch
2001年

PLAY
2002年

TDK・MD 「BIT CLUB」
辻野裕明

「スイッチを押してみてください」。ここ何年か、美術展に行くと、このような文字の書かれたプレートをしばしば見かける。辻野が制作している作品も、そんな参加型の部類に属する。そして、機械じかけということであれば、少し前の、廃品の塊が奇妙な動きをしながら騒音を発するティンゲリーの作品を思い出す。だが辻野の作品は、それほど大掛かりなものでもなく、いたってシンプルだ。ましてや、最先端の技術を駆使したテクノロジー・アートとも無縁である。
作家の意識は、スイッチに集中している。ONとOFF。この二者択一によって世界がガラッと変わる、その入口としてのスイッチそのものに、ひとかたならぬ興味を抱いているのだ。世代的にロボットやゲーム、アニメで育った辻野にとって、スイッチはいつも身近かな存在としてあった。考えてみれば、スイッチというものは世代に関係なく、朝起きたときから夜寝るまで、私たちの生活と切り離せないものとなっている。パソコンはもとより、バスの押しボタン、駅の券売機などなど、家の内外で私たちはさまざまなスイッチと対峙している。スイッチを押さない日は一日としてないのだ。
しかし、辻野のスイッチは、そういった機能をもったスイッチとはちょっと違っている。たとえば、昨年夏に発表した「PLAY」という作品は、横に並んだ12個の白・黒のボタンを矢印に従って押して行くと、あのお馴染みの「大きなのっぽの古時計……」のメロディになるという仕組みだ。押した者は、その意外性に、思わずクスッと笑ってしまう。そう、これが生活の必需品かというと、決してそうではない。でも、こんなスイッチがあると楽しくなることも、また確かなのである。

〜 池上ちかこ/美術ライター


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